不動産広告には、物件の種別ごとの規制もあります。新築分譲物件、中古マンション、中古一戸建てに分けて、広告を見るときの大切なポイントを確認していきましょう。
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名前:くろちゃん(宅建士)
金融業、住宅営業から不動産業へ。
不動産屋を開店させるために奮闘中!!
物件によって広告の内容とか違ったりするの?
マンションや戸建て、あとは新築と中古などによって見方が少し違うんだよ。分かりやすく解説するね。
不動産広告のチェックポイント〈新築分譲物件編〉
新築分譲物件の場合は、同じ開発区域の住宅地やマンションで一度に複数の物件が販売されることなどから、販売戸数や価格などの見方が中古とは異なっていますので確認しておきましょう。
総区画数と今回販売区画数(総戸数と今回販売戸数)
総区画数は、その開発される区域内のすべての区画数、総戸数はその分譲マンションの販売予定のすべての戸数のことです。大規模な分譲の場合、販売時期をずらして、数期に分けて販売されるケースが多く、今回販売区画数は広告時に販売しようとしている区画数や戸数が表示されます。
価格・その他費用
価格は本来、すべての物件について表示しなければなりませんが、多数の物件を販売する場合には、最低価格、最高価格、最多価格帯とそれらの価格帯に属する物件数が表示されます。また、価格には、上下水道施設・都市ガス供給施設のための費用等を含みます。
その他、共用施設や特別の施設の負担金がある場合、それらの施設の維持管理費がかかる場合は、その内容と金額が表示されます。
用途地域(全物件共通)
物件所在地の用途地域が表示されます。用途地域とは、都市計画法で建てられる建物や用途を制限し、地域ごとの土地利用を定めたものです。用途地域は全部で13種類に分かれており、それぞれの区分によって建築できる建築物や建ぺい率、容積率の制限が建築基準法で定められています。
設備概要(全物件共通)
上下水道施設やガスなどの設備の概要が表示されます。
入居予定年月・建築年月
新築分譲物件の場合、建物が未完成であれば入居予定年月が、完成後であれば建築年月が記載されます。
手付金等の保全機関
不動産会社(宅地建物取引業者)が自ら売主となる場合で、売買契約時に一定額以上の手付金等(工事完了前の売買の場合は、代金の額の5%または1,000万円を超える場合、工事完了後の売買の場合は代金の額の10%または1,000万円を超える場合)が支払われるときは、売主は、受領した手付金等の保全措置を講じなければなりません。保全措置は、保証会社等による保証や保険会社による保険等で行われます。これによって、引渡しまでに売主が倒産した場合などに、買主が支払った手付金等を回収できなくなることを防ぎます。保全措置の実施機関は、広告で確認することができます。
取引条件の有効期限
新聞折込チラシ等の場合には、取引条件の有効期限が表示されます。インターネットの場合は、情報更新日が表示されます。条件のよい物件は早く購入者が決まる傾向がありますので、取引条件の有効期間や情報更新日なども確認しておきましょう。
不動産広告のチェックポイント〈中古マンション編〉
中古マンションは、物件価格としては割安感があるものも少なくありませんが、物件の老朽化により多額の修繕費がかかる場合もあります。
ここでは中古マンション特有のチェック項目について紹介します。
※この表示例は一般の新聞・雑誌広告の場合のものです。社名、宅建免許番号、所属団体名、会社所在地等の表示例は省略しています。
1.専有面積
買主が所有する部分の面積です。壁の中心から測った壁芯面積を表示することが原則ですが、中古マンションの場合は壁の内側で測った登記記録(登記簿)の面積で表示されることもあります。なお、バルコニーは共用部分ですから、その面積は専有面積に含まれません。
2.建物の構造と階建て
建物の構造の表示は省略されることもあります。「10階建ての5階」というのは、マンションの建物が10階建てで、販売される住宅が5階部分にあるということを示しています。
3.建築年月
築○年という表示ではなく、建物が竣工した年月が表示されます。なお、まだ入居者が入ったことのない物件でも、建築後1年以上経過していると、不動産広告では中古物件として扱われます。
4.管理費(マンション共通)
1ヶ月当たりの管理費と修繕積立金が表示されます。このほかに駐車場や、トランクルーム、専用庭の使用料がかかる場合もあります。
また、管理方式として、「常駐」(管理員が常駐している場合)、「日勤(通勤)」(管理員が日中のみ駐在している場合)、「巡回」(管理員が複数のマンションを巡回管理している場合)、「自主管理」(管理員がいない場合)などが表示される場合もあります。
不動産広告のチェックポイント〈中古一戸建て編〉
中古一戸建ては、ひとつひとつの物件が、それぞれ違う特徴を持っています。まずは広さ、間取り、建築年月や立地が希望に合っているかどうかをチェックしましょう。
※この表示例は一般の新聞・雑誌広告の場合のものです。社名、宅建免許番号、所属団体名、会社所在地等の表示例は省略しています。
1.私道負担
売買対象となる土地に私道部分が含まれる場合、敷地面積と私道負担面積は分けて表示されます。私道部分が単独所有の場合は「私道負担20㎡」等の面積が表示され、周辺の所有者と共有の場合は「私道100㎡、持分5分の1」というように持分比率も表示されます。
2.建物面積
建物面積に地下車庫や地下室を含むときは、その旨と面積も表示されます。
3.車庫
「カーポート」とは、屋根と柱だけの簡易な駐車施設をいいます。「車庫付」と表示できるのは、車を格納できる建物で屋根と壁があるものです。それ以外では「車庫付」、「車可」等のあいまいな表示は禁止されています。
4.建築年月
築○年という表示ではなく、建物が竣工した年月が表示されます。建築後に増改築された物件の場合でも、竣工時の建築年月が表示されます。なお、まだ入居者が入ったことのない物件でも、建築後1年以上経過していると、不動産広告では中古物件として扱われます。
5.所在地
物件所在地の詳しい地番の表示を省略することが認められています。また、広告に表示される所在地は、登記地番によるもので住居表示番号ではありません。登記地番と住居表示は一致する地域もありますが異なる地域もありますので、注意してください。
まとめ
物件によってチェックポイントがそれぞれ違います。気になる物件の広告と照らし合わせて一度見てみてくださいね。分からないことは信頼のおける不動産屋さんに相談してみるのもいいですね。
チェックポイントを押さえておくと広告を見るときに役立つね。希望する物件の事を詳しく知るためには必要な情報だよ!
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