令和5年度与党税制改正大綱~不動産関係税制改正~

その他

令和4年12月16日に公表されました、令和5年度与党税制改正大綱に基づき、不動産関係の税制改正について解説していきます。

この記事を読むと

✔令和5年度における不動産関係の税制改正についてわかる

✔各種税制特例措置の延長及び拡充の詳細がわかる

✔今後検討されていく内容がわかる

この記事を書いた人
名前:くろちゃん(宅建士) → 改め、宅建士・・・鶴田 欣也(つるた きんや)
金融業、住宅営業から不動産業へ。
不動産屋を開店させるために奮闘中!!
 → 遂に『開業』出来ました!!

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しろちゃん
しろちゃん

来年はどんな事が変わってくのかな?

くろちゃん
くろちゃん

毎年この時期になると注目される話題だね!

令和5年度に何が変わるか分かりやすく説明するね。

1各種税制特例措置の延長及び拡充

以下の特例措置については、いずれも国民の住宅取得支援、良質な住宅の供給・流
通促進を図るうえで不可欠な措置であることから、適用期限を延長及び拡充すること。

(1)低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置の延長及び拡充

低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除について、以下の措置
を講ずること。
① 低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置の適用期限(令和4
年 12 月 31 日)を延長すること
② 譲渡価額の上限を 800 万円に引き上げること
➠以下の延長および措置が講じられます
○現行の措置を令和7年 12 月 31 日まで 3 年間延長
○以下の土地は譲渡価額の要件につき上限を 800 万円に引き上げ
・ 市街化区域又は非線引き都市計画区域のうち用途地域設定区域に所在する土地
・ 所有者不明土地対策計画を策定した自治体の都市計画区域内に所在する土地
○適用対象となる低未利用土地等の譲渡後の利用要件に係る用途から、いわゆるコ
インパーキングが除外される
※上記の改正は、令和5年1月1日以後に行う低未利用土地等の譲渡について適用
されます。

(2)空き家等の発生を抑制するための特例措置の延長と拡充

空き家等の発生を抑制し、更なる流通促進を図るため、相続空き家の譲渡所得に
係る特別控除について、以下の措置を講ずること。
① 相続によって取得した居住用の空き家を譲渡した場合に 3,000 万円を特別控除
する特例措置について適用期限(令和5年 12 月 31 日)を延長すること
② 譲渡後一定期間内に耐震改修工事又は除却工事を行う場合についても本特例の
対象とすること
③ 相続した空き家の有効活用意欲を削ぐ恐れのある、事業、貸付を制限する家屋
の要件を緩和すること
④ 「昭和 56 年5月 31 日以前に建築された家屋」とされている要件を見直すこと
➠以下の延長および措置が講じられます
○令和9年12月31日まで4年間延長
○当該被相続人居住用家屋が当該譲渡の時から当該譲渡の日の属する年の翌年2月
15日までの間に次に掲げる場合に該当する事となったときは適用対象とする
・耐震基準に適合することとなった場合
・その全部の取壊し若しくは除却がされ、又はその全部が滅失をした場合
○相続人の数が3人以上である場合における特別控除額を 2,000 万円とする
○その他所要の措置を講ずる
※上記の改正は、令和6年1月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住
用家屋の敷地等の譲渡について適用されます。

➠③,④については、今回の大綱には盛り込まれませんでした

(3)土地の売買に係る登録免許税の軽減税率の据え置き

土地売買の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減税率について、現行の税率
(1.5%)を令和5年4月1日以降も据え置くこと。
➠令和8年3月31日まで3年間延長されます

(4)既存住宅及びその敷地に係る買取再販に係る不動産取得税の特例措置の延長

宅建業者が既存住宅を買い取り、一定の質の向上のための改修工事が行われた既
存住宅を販売する場合の、宅建業者の既存住宅及びその敷地取得に係る不動産取得
税の軽減税率(令和5年3月 31 日)を延長すること。
➠令和7年3月31日まで2年間延長されます

(5)その他適用期限を迎える各種税制特例措置の延長

① 優良住宅地の造成等のために土地等を売った場合の税率軽減の特例
…… 令和4年 12 月 31 日
➠以下の見直しを行ったうえで、令和7年12月31日まで3
年間延長されます
○適用対象から特定の民間再開発事業の用に供するための土地等の譲渡を除外
○開発許可を受けて住宅建設のように供される一団の宅地の造成を行う者に対す
る土地等の譲渡に係る開発許可について、次に掲げる区域内において行われる
開発行為に係るものに限定する
・市街化区域
・市街化調整区域
・区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域(用途地域が定
められている区域に限る)

② 災害ハザードエリアからの移転促進のための特例措置
…… 令和5年3月 31 日
➠登録免許税については、令和8年3月31日まで3年間延長
されます
不動産取得税については、令和7年3月31日まで2年間延
長されます

③ 地域福利増進事業に係る固定資産税の特例措置 …… 令和5年3月 31 日
➠令和7年3月31日まで2年間延長されます
④ 特定の事業用資産の買換えの特例 …… 令和5年3月 31 日
➠以下の見直しを行ったうえで、令和8年3月31日まで3年
間延長されます

○既成市街地等の内から外への買換えを適用対象から除外
○航空機騒音傷害区域の内から外への買換について、譲渡資産から令和2年4月1
日前に特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法の航空機騒音傷害防止特別地区又
は公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の第二
種区域となった区域内にある資産を除外
○本店又は主たる事務所の所在地の移転を伴う買換えの課税の繰延べ割合について


・東京都の特別区の区域から地域再生法の集中地域以外の地域へ買換えの繰延べ
割合を 90%(現行:80%)に引き上げ
・同法の集中地域以外の地域から東京都の特別区の区域への買換の繰延べ割合を
60%(現行:70%)に引き下げ

⑤ 法人の土地譲渡重課制度及び個人の不動産業者等に係る土地譲渡益重課制度の
適用停止措置 …… 令和5年3月 31 日
➠法人の一般の土地譲渡益に対する追加課税制度について以下
の見直しを行ったうえで、令和8年3月31日まで3年間延長
されます
適用除外措置(優良住宅地の造成等のための譲渡等に係る適用除外)について、
以下の見直しを行ったうえ、その適用期限を3年延長する
○対象から特定の民間再開発事業の用に供するための土地等の譲渡を除外
○開発許可を受けて住宅建設のように供される一団の宅地の造成を行う者に対す
る土地等の譲渡に係る開発許可について、次に掲げる区域内において行われる
開発行為に係るものに限定する
・市街化区域
・市街化調整区域
・区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域(用途地域が定
められている区域に限る)

住宅ローン控除及び各種特例措置等の要件の緩和(今後の課題)

(1)床面積要件の見直し
住宅ローン減税および贈与税非課税措置については、新築の場合に所得制限を設
けた上で床面積要件が緩和されたが、上記以外の場合においても床面積要件を緩和
するとともに、登録免許税の特例、不動産取得税の特例についても床面積要件を緩
和すること。

(2)二地域居住住宅への適用
空き家問題への対処、地方部への移住・定住・二地域居住の促進策として、二地
域居住住宅(セカンドハウス)の取得についても住宅ローン控除の適用対象にする
こと。

(3)小規模住宅用地に係る固定資産税軽減措置の拡充
譲渡を前提に空き家を解体し更地にした場合、一定期間は住宅用地の固定資産税軽
減措置(小規模住宅用地1/6、一般住宅用地1/3)の適用対象とすること。

(4)空き家・空き地等を取得した場合の税制特例の創設
空き家・空き地等の有効活用を図るため、一定の空き家(空き家バンク登録物件
等)・空き地(隣地等)を取得した場合の不動産流通課税(登録免許税、不動産取得
税、印紙税)に係る軽減措置を創設すること。

(5)所有者不明土地等の発生抑制及び利活用の促進のための税制措置
所有者不明土地発生の最大の要因と考えられる相続登記を円滑に行うため、時限的措
置として相続登記した場合の登録免許税の免除あるいは軽減する特例措置を創設するこ
と。


(6)総合的な流通課税の見直し
将来的に消費税率の更なる引き上げが考えられることを踏まえ、不動産取得税の見直
しや、不動産取引に係る電子取引への印紙税を課税しないことも含めて印紙税の廃止
等、不動産流通に係る多重課税を抜本的に見直すこと。

まとめ

令和5年度の税制改正では環境問題と未来へのリスク対策や、そして空き家や未利用地へのテコ入れ(流動化・活性化)などが強く表れている点ですね。まだまだ課題はいくつか残っていますが少しづつでもより良い社会になっていって欲しいですね。

くろちゃん
くろちゃん

令和5年度の法改正はこんな感じなんだよ!

毎年色々な事が変わっていくね。

わからない事があれば信頼のおける不動産屋さんに聞いてみてね!

国として懸念しているという分かりやすいメッセージとして受け取ることができる内容です。
実際に税制改正の発表と施行されるまでには時間があるので、今のうちに把握・準備をしておきたいところといえます。

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